テレフォンアポインター
「追え」
ご注意:このお話しは個人情報保護法が出来る前のお話しです。
第一弾「受難」はこちら、第二段「謎」はこちら
テレアポ第三弾「追え」自分で書いていて始めは
シリーズ化するつもりなんてなかったんですが、
続けて書いたら絶対に読んでもらえない長さになるので
シリーズ化してししまいました。 今回の「追え」そうです、
料金督促編です
勘違いしないで下さい!「おれおれ詐欺」ではありません
ちゃんと発生、返済しなくてはいけない料金の督促です。
未納料金督促なら今までと違い、一応お金を払ってもらう立場だから楽だろう?
そう考えていませんか?ところがどっこい
僕のいた部署はほとんどが末期症状、要するに相手も踏み倒すつもりの人達です。
さあ今!!踏み倒すつもりの人達と、絶対に払ってもらいたい
会社側との壮絶なバトルが繰り広げられる!!
そんなわけない・・・。
回収金額ノルマとの壮絶なバトルはあっても、
未納者とのバトルはほとんどありません、
だって踏み倒すつもりの人ばかりですよ・・・、
つまり電話に出ないんですよ。
だから僕達の仕事は主に留守番電話に催促のお知らせを残す、
一日の大半はこれ・・・。
多い人で一日200件、少ない人でも140件近く毎日留守番電話にお知らせを残します。
自分の会社名から始まって自分が担当の者である事、料金の未納状態、
支払い後の行き違いでの連絡間違い、支払わないとどうなるか、期日、口座から会社の電話番号、
その長い連絡事項も、毎日言ってたら一週間もしないうちに丸暗記ですよ実際。
困るのが携帯電話の留守電、留守番電話サービスなら、
3分間あるので慣れてしまえば時間内に収まります。
しかし、相手もそれを知っているのであえて、携帯電話のメッセージ機能にしてあるんですよ、
これが結構厄介で大体20秒ぐらい、その20秒で全部言えるはずもなく、
当然早口で3回ぐらいに分けて督促要点だけを残すんです。
お昼休み、ある先輩に携帯のメッセージ機能の話しをしたら、
短くせずそのまま長い連絡事項を残すそうです、入れられる数、限界まで。
先輩いわく「3日にいっぺんメッセージが一杯で、
他の人が留守電に残せない程連絡が来れば観念して払うだろう」ですって、
ここまでくるともはや嫌がらせに近いです、
でもその先輩はいつも好成績でした、効果あったんですねきっと。
皆様々で面白いのが、今日電話を架けて、期日の三日後に
架け直すと留守番電話のお姉さんが英語で喋っているんですよ、
携帯電話の機能の一部らしいんですが友達が電話架けてきた時も、
もちろん英語のメッセージ、一体どうやって説明するつもりなんでしょう?
その他には期日に支払いの確認が取れない為、
再度電話、するといつ架けてもビジーいわいる話し中状態。
本当にいつ架けてもビジー、そう着信拒否にしてるんです!
そんな人にはあえて一ヶ月ぐらい日を空けて、
別の番号から架けてあげるんです、結構油断して出ちゃうんですよね〜、
驚くほど明るい声で「はい、もしもし♪」そしてこちらが名乗ると
「あ、は、はい・・・」さっきとは打って変わって落胆した様子。
なかにはあきらかに本人にも関わらず
「違いますよ」おいおい・・・、
そんな人にもやっぱり一ヶ月ほど猶予を与え、
またまた違う番号から架電。この時、気を付けないといけません!
いきなり名乗るとまた違いますと言われてしまうので、
テレアポ特有の営業口調は封印!
「もしもし、○○さんですか?」
「はい、そうですが」
「○○さん本人ですか?」
「そうですが、誰ですか?」
「失礼致しましたわたくし、○○会社の○○と申します」
「あ!・・・」
「あ!」じゃないから・・・。
ひどいケースになると「本人だが身に覚えがない、
きっと兄弟が自分の名前で登録しているんだ」
などと寝言チックな事を言う人などもいます。
本人ですが身に覚えがないって言うんじゃ請求できない。
そこでご兄弟の方をお願いしますと言っても「一緒に住んでない」こらこら・・・。
電話番号を聞いても「どこに住んでるか分らない、携帯は持っていない」
などと香ばしい返事の連発!もう、お手上げです。
もうどうしていいか分らない状況もあります、
「本人死んじゃったんですよ」
え!し、死んじゃった?本当っすか?
一週間前にとの事と、お金の事はよく分らないので
と言われちゃ、そりゃ電話を切るより仕方ありませんよ
でも上手がいましたよ・・・。
「あの、利用者本人が亡くなってるみたいなんですが・・・」
「あっそ、死亡届けのコピーファックスしてもらって」
えええええええええええええ〜!!
いとも簡単に、そしてあっさりと言ってのけましたよ!
この部長さん!サラッと言うかね?パソコンのディスプレイ越しから・・・。
疑うつもりはないけど会社の規約だからと相手に伝えろと・・・。
そんな殺生な・・・。それ、僕じゃなきゃダメ?
心の中で何度もそうつぶやきながらデスクに戻りました。
その後どうしたかって?
僕がその会社を辞めるまで生暖かく見守りましたよ。
そ、なにもしなかった♪
いや、出来なかった・・・。
後任の担当者、ちゃんと言えたかな〜?
つづく
