テレフォンアポインター
「突破」


ご注意:このお話しは個人情報保護法が出来る前のお話しです。

第一弾「受難」はこちら、第二段「謎」はこちら、第三弾「追え」はこちら


 「ちょっと一杯飲みに行くか」それにも似た軽い気持ちが
第四弾まで来てしまいました、もはや「いつの間にやらはしご酒」状態!
植木等も真っ青!皆様、付いて来ていますでしょうか?

 「突破」一体、何を?どこを突破するの?そうです、
第三弾までは個人様への架電。第四弾は法人です!
それはそれで個人のお宅に電話するのとはまた違った苦悩が・・・。
それでは法人営業編


      「突破」


 会社に電話するのは個人宅に電話するより、
いくらかは精神的に楽です。当然、会社の看板を
背負っているわけですから営業の電話と分っても
ガチャ切りは出来ません。丁重にお断りされます、ほとんどが・・・。

特に女性の方で受付業務や窓口の仕事に
従事した方ならもうお分かりですね。
そうです!突破するのはあなた方です!!
会社が大きくなればなる程、会社に掛かって来た電話を
スムーズに係りの者に誘導する受付!しかし、
僕達が一番最初に突破しなければならないのがこの



       電話対応受付



 研修も滞りなく終わり、晴れて最前線に立ったその時、
僕はこの職場に来る前に、もういくつかのテレアポを経験していました。
そうです、アメリカのグリーンベレーの様に
今まで様々な修羅場を潜り抜けて来ました、激戦の戦場を。

 ここの部長に最初に言われた言葉
「受付突破ができたらもう、70%は契約だ!」
その時は甘く考えていました歴戦の勇者の僕は・・・。
そこでその言葉の本当の意味を知りました・・・。
そうです、受付突破がいかに困難な事かと。

受付業務の方はそれこそ毎日が最前線!数多く架かって来る電話の中で、
いかに会社のお得意様や有益のある内容かを電話一本で見極める、
そう!もう、築地の仲買人のような手腕と判断力の持ち主なんです。
百戦錬磨の受付嬢をいかに突破するのか!

 最初は簡単そうに思えたんです。だって、営業ですって
名乗れば担当者に代わってもらえると思ったんで、しかし甘かった。
そうです、ほとんどの会社が営業と分るやいなや絶対に
担当者には代わってくれません!

そこで初めて知りました、会社にはほとんど毎日の様に
営業の電話が架かって来ることを。その為、
ほとんどの営業の電話は受付でストップなんです。
要するに営業の電話だとばれない様に電話するんです、
僕は広告媒体の営業だったので求人情報誌や雑誌の広告などから
会社名と担当者名が分るのでそれを見て電話します。
では果たしてなんて言って電話したら担当者に繋いでくれるのか?

 そう、アンケートを装うんです。自分の会社が広告会社だと名乗り、
今後の参考にしたいので最近出した「広告の反響が聞きたい」
と言って電話します。この手は結構使えるんですが、
それでも担当者に繋がない「つわもの」もいます、


    「私がお答えします」


って言われちゃうんですよ、わたしがって・・・。
なんの決定権も持たない受付のお姉さんに話しても意味ないんです、
広報や人事課、総務の人と話さないと・・・。
他にはいつ電話しても「担当者は外出中です」と言われます、
じゃあなにかい、あんたんとこの総務は幽霊部員なのかい?
思わずそう口走ってしまいたいのですが、なんとこの受付嬢!
相手の話し方で営業と見抜いているんです!




   なんて優秀な受付嬢なんでしょう




と感心している場合ではありません。
こういった受付嬢の場合はお手上げなので、
違う人が電話に出るまで根気よく電話します、
でも流石に優秀受付嬢・・・、
必ず出るんです!!優秀受付嬢の方が・・・。

 電話を架ける祭にコツがあります、求人広告などは
人事課などの担当者の名前が書いてある場合が多いので

「○○会社の○○です、いつもお世話になっています。
人事ご担当の○○さんお願いします」

一瞬ためらう人もいますが、結構繋いでくれます。
そう、以前にも何度も担当者とお話しをしてますよって感じをかもし出すんです。
でも、たまに「○○ですか?その者は会社を退社して現在は会社にはおりませんが」

    キタ━━━(゜∀゜)━━━!!!

「あ、そうなんですか?○○さん、退社なされたんですか、
連絡はしていなかったので知りませんでした、では新しいご担当の方、お願いします」

一発OK!担当者が代わっている為、電話の相手が取引先の
会社かどうかなんて、もう誰にも分りません。
そこでまたまた何度も担当者とお話しをしてたんですよ光線です。
嘘は付いてませんよ、何度もお話しをしていますなんて
僕は一言も言っていません、むしろ「連絡はしていなかったので」
と正直に言っています。受付嬢様が勝手に勘違いされているだけですので。

 担当者の名前が分っているかいないかで、ここまで大きく違います。
今度はこちらの名前の番です、これまたあの手この手です。
電話を架ける人の少ない部署だった為に、偽名を使うことを許されていました、
相手に名前を一発で覚えてもらう為です。芸能人と同姓同名だったり、
ある球団の監督と同じ名前だったり、その代わり会社にいる時は
絶対にその名前しか使えません。例えば



   「都知事と同じ名前の石原です」



こんな感じです、どこかで聞いたようなフレーズなのは
この際、気にしていてはいけません!
この有名加減と名前の覚えやすさが微妙なサジ加減なんです。
例えばいくら有名でも「イチローと同じ名前の鈴木です」
と言ってもそんなにリアクションは望めません、どうせだったら




     「阿藤海と同じ名前の阿藤です」




やっぱりこれぐらいのインパクトは欲しいところです。
不思議なことに相手のひいきの有名人や監督と同じ名前と言うと、
それだけで相手の対応が代わってきます。
「元阪神の監督と同じ名前の星野です」阪神、星野ファンにはたまりません!
それだけで話し方が少しフランクになり、こちらも話しを進めやすくなります。

名前ひとつで大きく商談に影響してきます。
やっぱり話しをするのはお互いに人間同士、
そこには人それぞれの性格や感情が深く関わっているようです。
最後に、 だからといって



    「鳥肌実と同じ名前の鳥肌です」



と言ってもコアなファン層の上に、
返って怪しまれてしまうので気をつけましょう。


つづく

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