先駆者達に・・・。




「昔の人はよくこんなの食べたな?」
僕はたまにこんなことを考えたりします、きっと僕だけじゃなく
同じ事を考えた人も沢山いると思います。今でこそ食文化は
国々によって独自の文化や歴史を持って今に至っています。

 世界三大料理のフランス料理、中国料理、トルコ料理
(トルコは以外でしたか?)だけでなくイタリア、インド、韓国、
メキシコ、そして日本・・・。この他にも国によってその食文化は
大きく異なり宗教なども食文化に大きな影響を与えています。
食文化は旅行の醍醐味のひとつでもあります。こんな小さな日本でさえ
東と西では趣向は違ってきます、これが世界レベルになったら・・・。
でもちょっと待って下さい!グローバルに世界に目を向ける前に
我が日本のパイオニア達に目を向けて見て下さい。

 「よくこんなの食べたな?」世界に共通する事ですが
人間の視覚、嗅覚にダイレクトに訴えかけてくる自己主張の
固まりの様な食材がありますよね?
「おい、腐ってるんじゃないのこれ?」クサヤ、納豆の類や
「これを一番最初に食べた奴って相当気合入ってるな!」
今でこそ美味しいと思いますがあなたが生まれて初めて見た時に
「よし食べよう」って思えますか?蟹、牛蒡(ごぼう)、雲丹(ウニ)、ナマコ・・・。

 この他にも生まれて初めて見せられて食べ物って教えられずに
口まで運べるか疑問に思う食べ物でいっぱいです。
だって蟹って海の蜘蛛みたいでしょ?なんで蟹は食べて蜘蛛は食べないの?
牛蒡に至っては「根っこ」根っこですよ!!しかもアク抜きしないと不味いし。
ウニ、ナマコに関してはもう・・・。

 これらは日本に止まらず、カビの生えたチーズやツバメの巣、
数え上げたら切りがありません。でも何でそんな物を食べたのか?
生でも加熱しても、どちらでもOKのような食べ物から、中には
火を通せば食べれるが生では食べれない物
さえ存在する。
野菜とかに関してはもう「そこらへんに生えてたんでしょ?」
状態である。でもこれらの食材には意外と簡単に説明(予測)が出来るんです。

簡単です、人間がまだうウッホウッホと野生に近い生活をしていた頃は

      「取り合えず食べてみた」

 もうそこら辺の目に付くものを手当たり次第に口に運んだ・・・。
そう、もう葉っぱから土から生きてるものから死んでるものまで、
取り合えずなんでも食べてみた、そこで食べれるものと、
そうでないものとを判断した。そんなこと誰でも想像出来ると思いますよね、
でも自分には腑に落ちない事が・・・。もし自分がその時代の
人間なら隣で食べてる奴が食べれないと判断した物を
そう簡単には口に運ばないと思う、きっと恐るおそる
ちょびっとづつ食べてみてそこで判断すると思う。

 そこで思うのが「フグ」コイツコイツ!!
料理の最高食材でも知られるトラフグちゃん、
愛くるしい見た目とは裏腹に青酸カリに匹敵する
毒を卵巣と肝臓に持つ。養殖のフグには毒は無いそうですが
どう考えても人がまだ、原始的な生活をしている時代に
毒をより分けたり、呑気にフグの養殖をしていたとは
考えにくい。言っとくけど死んじゃうだよ食べたら!
隣の奴がフグを食べて苦しみだすのを見て、
なおも同じフグを食べようって思う果敢なチャレンジャーなんて
考えられない!食べて死んだ人見たら引くでしょ普通、
お笑い芸人のお約束でも命までは掛けられない。

 それでも毒を選別して食べれるところを探し続けた・・・。
フグの毒を命懸けでより分ける程、周りに食べれるものが
無かった訳でもないにも拘らずフグパイオニア達は
自分達のプライドと愛する者を守る為、猛毒を持つフグ達に果敢に挑んだ。
次々と倒れる戦友、その死を無駄にしない為にと
自らの命と引き換えに更にフグにチャレンジし続ける
フグパイオニア達、そしてついにフグを攻略したパイオニア達。
全国民がその一報を知ると感極まり涙する・・・。
そして皆の待つところに威風堂々と帰ってくる勇者達・・・。
その男達の目には帰りを待つ妻と子供達の姿が・・・。
。・゜・(ノД`)・゜・。

 もはや映画だ!カンヌだ!ハリウッドリメイクだ!
クエンティン・タランティーノ!後は任せたぜ!!
と僕自身ここまで書いて茶柱に・・・。
いやいや目頭に熱いものさえ覚えましたよ。
毒があるなら無理して食べなくてもいいフグに魅了され、
種類別に毒のある部位を突き止めたフグパイオニア達。
今現在、僕達がフグを美味しく食べられるのも、
その先駆者達の命を掛けた闘いのお陰だ・・・。
フグを食べる時、その男達の熱い想いを感ぜずにはいられない。
これを読んだ皆さんもぜひフグを食べる時には思い出して欲しい・・・。
フグ一匹でここまで熱く語れる僕のことを・・・。


じゃなかったフグパイオニア達を。



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